東洋医学から見る子どもの皮膚トラブル

東洋医学では皮膚だけを診ません

東洋医学では、

湿疹やアトピーがあるからといって、
皮膚だけを治療することはありません。

なぜなら、

皮膚は身体の状態を映し出す鏡

だからです。

つまり、

  • 皮膚は「結果」
  • 原因は身体の中にある

という視点で考えます。

そのため、

  • 消化
  • 呼吸
  • 睡眠
  • 腸内環境
  • 自律神経
  • 体質

などを総合的に診ていきます。


① 肺と皮膚

東洋医学では

「肺は皮毛を司る」

と言われています。

肺は呼吸をするだけではありません。

肺の役割

・呼吸を行う

・気(生命エネルギー)を全身へ巡らせる

・皮膚の健康を保つ

・汗を調節する

・毛穴の開閉

・身体を守るバリア機能(衛気)

を担当しています。


衛気(えき)とは?

衛気とは

身体を守る防御システム。

現代医学でいう

  • 免疫
  • 皮膚バリア
  • 粘膜の防御

に近い考え方です。

この働きが弱くなると

  • アレルギー
  • 湿疹
  • 風邪
  • 鼻炎
  • 喘息

などが起こりやすくなると考えます。


肺を元気にする生活

食事

・大根

・白菜

・れんこん

・山芋

・白きくらげ

・梨

・豆腐

・白ごま

これらは肺を潤しやすい食材として伝えられています。

生活

・深呼吸

・よく笑う

・適度な運動

・鼻呼吸

・睡眠

肺は呼吸だけでなく、

自律神経とも深く関係しています。


② 脾胃(消化)

東洋医学では

脾胃は後天の本

と言われます。

つまり、

食べた物から

身体を作る力です。


脾胃が弱ると

  • 栄養不足
  • 疲れやすい
  • むくみ
  • 未消化
  • 下痢
  • 便秘

などが起こります。

そして

皮膚にも十分な栄養が届きません。


子どもで多い原因

・ジュース

・アイス

・お菓子

・菓子パン

・冷たい飲み物

・食べ過ぎ

・早食い


脾胃を元気にする食事

おすすめ

・ご飯

・味噌汁

・にんじん

・かぼちゃ

・さつまいも

・大根

・鶏肉

・白身魚

・温かいスープ

食事は

「温かく・よく噛んで・腹八分目」

が基本です。


③ 血熱タイプ

炎症が強く

身体に熱がこもっている状態。


特徴

・赤い湿疹

・赤いアトピー

・ニキビ

・熱を持っている

・痒みが強い

・イライラ


原因

・睡眠不足

・ストレス

・甘い物

・揚げ物

・辛い料理

・炎症が長く続く


おすすめの食材

・きゅうり

・白菜

・レタス

・トマト

・大根

・豆腐

・わかめ

・梨

身体にこもった熱を穏やかに冷ます食材です。


控えたいもの

・揚げ物

・辛い料理

・チョコレートの食べ過ぎ

・ジュース

・スナック菓子


④ 湿熱タイプ

身体に

水分と熱が溜まっています。


特徴

・ジュクジュク

・黄色い汁

・ベタベタ

・化膿

・ニキビ


原因

・甘い物

・ジュース

・乳製品の摂り過ぎ

・脂っこい物

・運動不足


おすすめ

・はと麦

・大麦

・小豆

・冬瓜

・ごぼう

・キャベツ

・きのこ

余分な水分を身体の外へ出す助けになると考えられています。


生活

・適度な運動

・汗をかく

・水を飲む


⑤ 血虚タイプ

血が不足し

皮膚へ栄養が届いていない状態。


特徴

・乾燥

・カサカサ

・フケ

・爪が割れる

・髪が細い

・疲れやすい


おすすめ

・卵

・赤身肉

・魚

・小松菜

・ほうれん草

・黒ごま

・ひじき

・大豆製品

たんぱく質や鉄分などをバランスよく摂ることが大切です。


生活

・十分な睡眠

・疲れすぎない

・朝食を抜かない


⑥ 陰虚タイプ

身体の潤い不足。


特徴

・夜に痒い

・火照る

・寝汗

・乾燥

・口が渇く


おすすめ

・山芋

・豆腐

・豆乳

・れんこん

・白きくらげ

・梨

・白ごま

・卵


控えたいもの

・刺激物

・辛い物

・夜更かし


⑦ 腸との関係

東洋医学では

肺と大腸は

「表裏関係」

つまり

一つのペアです。

だから

腸が乱れると

皮膚にも影響しやすくなります。


こんな子はいませんか?

□ 便秘

□ 下痢

□ ガスが多い

□ お腹が張る

□ 偏食

□ 食が細い

これらがある場合は

腸を整えることも重要になります。


腸を元気にするために

・よく噛む

・食物繊維を摂る

・発酵食品を適量取り入れる

・十分な睡眠

・適度な運動

・甘い飲み物を減らす

近年では

Gut-Skin Axis(腸‐皮膚相関)

という研究も進み、

腸内環境と皮膚の健康との関連が注目されています。


東洋医学で最も大切な考え方

東洋医学では

病名を診るのではなく、人を診ます。

同じアトピーでも、

  • 赤く熱が強い子
  • 乾燥が強い子
  • ジュクジュクしている子
  • 胃腸が弱い子

では、身体の状態も養生法も異なります。

だからこそ、

「○○を食べれば治る」「○○をやめれば治る」という単純な話ではありません。

その子の体質や生活習慣、食事、睡眠、ストレス、成長段階まで含めて考えることが、本当の意味で身体を整える第一歩になります。


最後に伝えたいメッセージ

皮膚は敵ではありません。

皮膚は、

「身体の中で何か起きていますよ」

と教えてくれているサインです。

症状だけを抑えることも時には必要ですが、それと同時に、

  • 呼吸
  • 消化
  • 睡眠
  • 栄養
  • 生活習慣

を整えていくことで、身体が本来持っている回復する力を支えていくことができます。

この視点を持つことが、お子さんの健康を長い目で支える土台になるでしょう。